循環と文化をつなぐ家具と灯り、狼煙のみんなの家へ
能登半島の最北端、狼煙に新しい「みんなの家」が完成しました。
黒瓦の屋根に包まれた空間には、寄贈された家具や地元の職人が手がけた能登提灯が置かれ、昼は人々が集い、夜はやわらかな光がともります。
「狼煙を上げる町」という由来を持つこの地に、新たな“灯り”が加わったことは、地域の歴史と未来をつなぐ小さな合図のようにも感じられます。
能登半島地震の復興を支える「みんなの家」プロジェクトとは
2024年1月1日に発生した能登半島地震。
その復興の歩みを支えるため、能登各地で始まったのが「みんなの家」プロジェクトです。
同プロジェクトは、2011年の東日本大震災をきっかけに、伊東豊雄さんや妹島和世さんを中心とした建築家たちによって始まりました。
被災した地域の人びとが安心して集まり、日常を取り戻すための小さな拠点として、これまで東北・熊本へと展開されています。その流れは能登にもつながり、今回の狼煙地区の「みんなの家」では、建築をクライン ダイサム アーキテクツが担当しています。
能登では計6棟の建設が計画され、その第1棟目となるのが、今回の珠洲市狼煙町に完成した「狼煙のみんなの家」です。日本財団が立ち上げた「みんなの憩いの場プロジェクト」に採択され、地域住民の拠り所として活用が始まっています。

家具サブスクの循環と伝統工芸を生かした3つの取り組み
インターオフィスは、この狼煙の「みんなの家」に家具と灯りを寄贈しました。単なる寄付ではなく、能登のこれからを見据えた 循環性・文化の継承・仕組みの実装 という3つの指針に基づいた取り組みです。

寄贈した家具は、fittingboxのサブスクで使われていたものをクリーニングして再利用。廃棄せずに次の場へと受け渡すことで、「使い継ぐ」というサステナブルな姿勢を示しました。
さらに、灯りとして設えたのは地元職人が手がけた能登提灯。直径1100ミリの大提灯を照明シェードとして活用し、伝統工芸を復興の象徴として息づかせています。そして、単なる寄贈に終わらず、安全に長く使えるよう仕組みを整えた点も特徴です。
こうして届けられた家具と灯りは、単なる道具ではなく、この場所を“人が安心して集える場”へと変えていきます。
オフィス家具を再利用──暮らしを支える土台に
家具は、人が集まる時間を支える“暮らしの土台”とわたしたちは考えています。
椅子やテーブルが置かれることで、それをきっかけに食事や会話が自然と始まっていきます。
「みんなの家」に置かれた家具も、以前はオフィスで使われていたもの。サブスクを通じて役割を果たしたのち、クリーニングされ、今度は被災地の暮らしを支える存在となりました。

一般的に“オフィス家具”は無機質なイメージがありますが、インターオフィスが扱うのは世界中の建築家やデザイナーに選ばれてきた家具。長く使える耐久性と、生活空間にも馴染むデザイン性を備えているため、家庭的な「みんなの家」にも違和感なく溶け込んでいます。
家具と灯りがつくる、地域の新しいコミュニティ風景
家具と灯りが揃った空間には、自然と人が集まります。
食卓を囲む時間や談笑のひととき──寄贈したモノは、暮らしの中で「場の風景」となって根付いていきます。



能登提灯を照明に活用、伝統工芸が復興のシンボルに
地元の職人が製作した直径1100ミリの能登提灯は、照明シェードとして活用されています。
提灯は「みんなの家」の象徴として、日中でも空間の中心に存在感を放ち、人と人をつなぐ居場所を育んでいます。

“狼煙を上げる町”という由来を持つこの地に、能登提灯の灯りがともる。その光が、過去から受け継がれてきた地域の記憶と、これからの未来を静かにつないでいきます。
「みんなの家」の内部に吊るされた能登提灯は、夜にはやわらかな灯りがともり、訪れる人びとをやさしく迎え入れてくれることでしょう。
社会に還すインターオフィスの姿勢──デザインと循環の力
能登・狼煙に完成した「みんなの家」は、多くの企業や団体の協力によって実現しました。黒瓦や食器、屋根材やカーテンなど、地域の暮らしを支える要素が持ち寄られ、その一つひとつが支え合いの象徴となっています。

良いデザインは、社会に還していくもの。そこから新しい循環が生まれ、人や地域のつながりが育っていきます。
家具と灯りを介した今回の取り組みも、わたしたちが日々大切にしている姿勢と重なります。これからもオフィスデザインやサブスクのサービスを通じて、企業や地域と一緒に、持続可能な未来の景色を描いていきたいと思います。
