【取扱いブランドご紹介 part 2】Knoll(ノル)
fittingbox(フィッティングボックス)では、ヨーロッパを中心に国内外のクオリティの高いブランドの家具を取り揃え、お客様のニーズやご予算に合わせて最適なプロダクトをご提案しています。今回は40を超える取扱いブランドの中から、アメリカの「Knoll(ノル)」をご紹介します。
【目次】
- 1. Knollブランドについて
- ・Knoll社とフローレンス・ノル
- 2. 代表的なプロダクトのご紹介
- ・BREUER COLLECTION/ WASSILY LOUNGE CHAIR(ブロイヤー コレクション/ ワシリー ラウンジ チェア)
- ・BERTOIA COLLECTION/ SIDE CHAIR(ベルトイア コレクション/ サイドチェア)
- ・THE MIES VAN DER ROHE COLLECTION/ TUGENTDHAT CHAIR(ミース・ファン・デル・ローエ コレクション/ トゥーゲントハット チェア)
- ・SAARINEN COLLECTION/ ROUND TABLE(サーリネン コレクション/ ラウンド テーブル)
- 3. Knoll Japan Showroomのご案内
■Knollブランドについて
ドイツ出身のWalter Knoll(ウォルター・ノル)の息子であるHans Knoll(ハンス・ノル)は、1938年にニューヨークで家具ブランド、Knoll(ノル)を設立しました。経営にはデザイナーであり妻であるFlorence Knoll(フローレンス・ノル)も務め、夫婦で事業の発展に貢献。「Knoll(ノル)の歴史は、近代デザイン運動の歴史でもある」と言われ、ミッドセンチュリーモダンを代表する家具ブランドとして国際的地位を確立しました。 代表作は、Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)の「BARCELONA CHAIR(バルセロナチェア)」やEero Saarinen(エーロ・サーリネン)の「TULIP CHAIR(チューリップチェア)」など、20世紀デザインに多大な影響を与えた数々の名作家具。「使われる芸術品」と評されたKnoll(ノル)の家具は、美しさと心地良さがあり、あらゆるシーンにおいて、モダンでありながら温かな空間を生み出してくれます。Knoll社とフローレンス・ノル
Knoll社の築いてきた歴史を、ハンスの妻であり彼の死後社長として会社を率いることとなったフローレンスの足跡を通してご紹介します。
パン職人の家に生まれ、12歳で孤児になったFlorence Knoll(フローレンス・ノル)は、ミシガン州サギノーで育ちました。早くから建築に関心を示し、クランブルック美術アカデミーに隣接したキングスウッド・スクールに入学しました。 キングスウッドに在学中、Gottlieb Eliel Saarinen(ゴットリーブ・エリエル・サーリネン)の一家と親しくなりました。彼らと一緒にフィンランドでの休暇を過ごし、一家の友人達との交流を楽しみ、Eliel Saarinen(エリエル・サーリネン)の息子Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)との友情を育みました。彼女が築いた交流関係とクランブルックで培ったスキルは、Florence Knoll(フローレンス・ノル)の素晴らしいデザイン能力と先駆者的なキャリアの基盤となりました。
Eliel Saarinen(エリエル・サーリネン)とAlvar Aalto(アルヴァ・アアルト)からの推薦を受けて、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるイリノイ工科大学にて、Walter Gropius(ウォルター・グルピウス)や Marcel Breuer(マルセル・ブロイヤー)、Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)など20世紀の偉大な建築家のもとで勉強を続けました。 1941年、Florence Knoll(フローレンス・ノル)はニューヨークへ渡り、家具会社を設立していたHans G. Knoll(ハンス G・ノール)に出会いました。1946年に結婚した2人は、Florence Knoll(フローレンス・ノル)のデザインスキルとハンスのビジネスセンスによって新しい会社をスタイルとデザインに特化した国際的な会社に成長させました。また、彼女は友人であるEero Saarinen(エーロ・サーリネン)、Harry Bertoia(ハリー・ベルトイア)、Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファンデル・ローエ)との交流も続けました。
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Florence Knoll(フローレンス・ノル)は、革新的なプランニング・ユニットを設立し、戦後のアメリカで標準となる近代的なオフィスインテリアを確立し、プランニング・ユニットは、IBM、GM、CBSなどを含むアメリカの大企業のオフィスインテリアを手がけました。 Florence Knoll(フローレンス・ノル)はKnoll(ノル)のカタログにたびたび自身がデザインした家具を掲載しました。彼女は自分がデザインした家具を、Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)、Harry Bertoia(ハリー・ベルトイア)、Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファンデル・ローエ)、の傑出した作品を引き立てる「肉とジャガイモ」だと謙虚に例えましたが、細部へのこだわりや、プロポーションに対する観察力、モダンな美しさのある彼女のデザインは、同等に尊敬され、称賛されてきました。1955年にHans G. Knoll(ハンス G・ノール)が悲劇的な死を遂げた後、Florence Knoll(フローレンス・ノル)は社長として会社を率いました。1960年に彼女は社長を辞任し、デザインと開発部門の責任者として専念し、1965年に会社を退職しました(1957年に再婚)。彼女のKnoll(ノル)とアメリカンモダニズムへの貢献は計り知れません。
■代表的なプロダクトのご紹介
BREUER COLLECTION/ WASSILY LOUNGE CHAIR(ブロイヤー コレクション/ ワシリー ラウンジ チェア)
1920年代初頭にバウハウスの学生として学んでいたMarcel Breuer(マルセル・ブロイヤー)。当時といえば、抽象画家のWassily Kandinsky(ワシリー・カンディンスキー)がバウハウスで教鞭を取っていた頃です。カンディンスキーは、ブロイヤーが製作したこの椅子を大変気に入っていたとか。その後、ブロイヤーがワシリー・カンディンスキーの誕生日に椅子を贈ったことから、「WASSILY CHAIR(ワシリーチェア)」という名前が付けられました。アドラー社製の自転車ハンドルの美しいラインから着想を得てデザインしたというワシリーチェア。1925年当時、デ・ステイル運動の構成主義理論に影響を受けたブロイヤーは、古典的なクラブチェアの形状から要素を減らした線と面で構成するデザインを目指し、スチールパイプの製作実験を始めました。スチールの加工方法までも検討し生まれたワシリーチェアは、それまでの木製椅子にはない洗練されたデザインで人々を驚かせました。1934年には、ニューヨーク近代美術館MoMAに寄付され、永久コレクションとして所蔵されています。
BERTOIA COLLECTION/ SIDE CHAIR(ベルトイア コレクション/ サイドチェア)
イタリア出身で、金属彫刻家として活躍したHarry Bertoia(ハリー・ベルトイア)によって生み出されたサイドチェアは、ミッドセンチュリーモダンデザインの象徴ともいえるチェアです。 工業用素材の中に崇高な美しさを見出し、どんな空間でも快適に使えるようデザインされています。見た目の繊細さに反し、丈夫で耐久性があります。ワイヤーで構成されたチェアは、まるで浮遊しているかのよう。ベルトイア自身も、この椅子を「空気」のようだと表現しました。 スチールには、クロムメッキかビニールコーティングがされています。ビニールコーティングのブラック、ホワイトは屋外での使用も可能です。
THE MIES VAN DER ROHE COLLECTION/ TUGENTDHAT CHAIR(ミース・ファン・デル・ローエ コレクション/ トゥーゲントハット チェア)
1929年にLudwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファンデル・ローエ)が、チェコのブルーノにあるトゥーゲントハット邸のためにデザインしたトゥーゲントハット チェア。エレガントなカンチレバー(片持ち構造)のフォルムを持つトゥーゲントハットチェアは、彼の作品全てに通じる高い技術と芸術性を体現しています。洗練された構造のスチールフレームと、厚みのあるクッションは、快適な座り心地を提供します。
SAARINEN COLLECTION/ ROUND TABLE(サーリネン コレクション/ ラウンド テーブル)
テーブル下のスラム化(椅子やテーブルの脚による混乱状態)を解決するため、Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)が多大な研究を重ね生みだした一本脚で自立するデザインのラウンドテーブルです。さまざまな空間に合わせてご利用いただけるよう、豊富なサイズ展開(Φ910mm、Φ1070mm、Φ1200mm、Φ1370mm、Φ1520mmの5サイズ)でご用意しています。
■Knoll Japan Showroomのご案内
東京・青山に位置するKnoll Japan ShowroomはKnollのアイコニックなカラーであるレッドを基調にマテリアルやディテールにこだわった空間となっています。全体で約330m²を有し、プロダクトがより美しくご覧いただけるようなシンプルなスペースです。大きくとったガラス面からは、赤坂御用地の緑が広がり、四季折々の自然の移ろいを楽しむことができます。Knoll Studio、Knoll Office、Knoll TextilesをメインにさまざまなKnollのプロダクトをご覧いただけます。
Knoll Japan Showroom
住所:東京都港区北青山1-2-3 青山ビル1F
Tel. 03-6447-5405 Fax. 03-6447-5406
地下鉄銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅0番出口直結営業時間:11:00-19:00 毎週日曜定休
20世紀モダンデザインを代表するデザイナーによるファニチャーを多数生み出してきたKnoll
fittingboxのサブスクリプションで、「使われる芸術品」と評されるKnoll社の家具を空間のアクセントとして取り入れてみては如何でしょうか?